父を亡くして

お正月から暗い話をしてしまうようで申し訳ないのですが、後述するある思いがあって年が明けたら発信しようと書いていた文章があるので書かせてください。少し長くなりますがお時間ある方は読んでくれたら嬉しいです。

 

 

2018年8月、僕は最愛の父を膵臓癌で亡くしました。 父はまだ63歳。ガン発覚から半年ほどの事でした。

 

 

すごく健康オタクで大きい病気はおろか風邪すらひかなかった父でした。体調が優れないからと気軽に受診した病院で癌の疑いがあると言われ、精密検査の末ついた診断は末期の膵臓癌でした。

 


診断から亡くなるまでの半年間という時間は、父本人にとっても、僕たち家族にとっても短すぎたものであり、もっとこうしたら良かった、ああしたら良かったという後悔は尽きません。

 


父がこのような病気にかかり、いなくなってしまうことなど、去年の正月の時には僕を含め家族全員が夢にも思っていませんでした。

 


振り返ってみれば高校から地元を離れ寮生活をしていた僕にとって、父と過ごした時間は少なかったように感じています。

 

健康な父だからきっとこれからも長生きするだろうという思いのもと

・もう少し大人になったら父とお酒でも飲んで色々な話をしよう。

・これまでの感謝の気持ちも後々ゆっくり伝えていこう。

・親孝行も社会人になったらいっぱいしよう。

などと考えていたため高校生の時や大学に入ってから実家に帰った時も特段父のことは意識せず普通に過ごしていました。

 

ここに僕の後悔があります。

こんなに早く亡くなってしまうのならば、もっと実家に帰っていれば良かった。もっと感謝の気持ちを伝えていれば良かった。などと考えれば考えるほど後悔の念は尽きないです。

 

 

そしてもう1つの後悔があるのですが、それは父の病気が分かって後のことです。

 

医学生である僕は多少なりとも癌の進行について勉強してきて、膵癌の予後の悪さを知っていました。父を含め僕の家族は医学とは関係ない職業についているため病気に関してよく僕に聞いてきたのですが、予後が悪いことを知りながらきっと治るよ!大丈夫!と家族に話すことは嘘をついているような感覚で僕には凄くストレスでした。

 

当時の僕は父の病気以外にも、学業や部活動のことでも負担があり、それを1人で抱え込んでいたのでそのストレスゆえに様々な現実から目を逸らしていました。なので病気の父とも真摯に向き合えず、父と話すことを避けるようなこともありました。今になってすごく後悔しています。

 


長々と自分語りになってしまい申し訳ないですが、以上の経験から僕が発信したいことは、ありきたりな言葉ですが「家族、身近な人と一緒にいれる時間を大切にしてほしい」ということです。

 

医療の進歩が目まぐるしい現代においても、まだまだ予後が悪い病気や突然死を来す病気があります。そして事故や災害など不測の事態もありえます。

別れがいつ訪れるのかは本当に分かりません。

 

しかし、なにも常日頃から別れを意識してずっと一緒にいろと言ってるわけではないです。顔を合わせて話す機会や感謝の気持ちを伝える機会を少し増やしてみてはどうでしょうか。

 

一人暮らししてる学生や実家を出た社会人の方などは家族とゆっくり話ができる時間はもうたくさんあるわけではないと思います。いざという時に少しでも後悔の気持ちを減らせるように、家族といる時間を大切にしてください。僕がこの文章を発信する日に元旦を選んだのも1番家族が集まる機会だと思ったからです。

 


そして、万が一家族の誰かが病気になってしまったときは、一人で気持ちを抱え込まないで他の家族や信頼できる友達に辛い気持ちを打ち明けて、病気になってしまった本人と真摯に向き合えるだけの心の余裕を持てるようにしてください。どうせ分かってもらえないからと一人で抱え込むと本当に辛くなります。周りの人はこちらの気持ちを理解しようとできるだけの努力をしてくれるし、色々なことを助けてくれます。

 


最後になりますが父を亡くして、家族を亡くすことの悲しさ、寂しさ、辛さを身にしみて実感しました。

 

一昨年に小さい頃からの親友を亡くした時もとてつもない悲しみがありました。しかし今回の別れは別物であると感じます。2つの死を比べるつもりはありませんが、家族を亡くすということは人生において他に類をみないことで、及ぼされる影響は多大です。

 

同じような経験をしたことがある人からは時間が解決してくれると言われるのですが、時間の流れの遅さが嫌になることがあります。

 

ただ、少しずつですが気持ちの整理もついてきて前向きな気持ちになれてきています。

 

僕が医師になるのを誰よりも楽しみにしてた父に医師になった姿を見せることが出来ないのは本当に残念ですが、きっと天国で見てることだと思うのでしっかり自分のペースで頑張っていこうと思います。

 

今年も去年同様みなさんに迷惑をかけることもあるかと思いますが、僕らしく頑張るので、今年もよろしくおねがいします^_^