ラリルレ論/野田洋次郎の感想、そしてRADWIMPSについて

こんばんは。

今日も今日とてブログを更新する。いつまでこのブログ欲が続くんだろう。

書きたいことがあったら多分毎日でも書くし、面倒臭くなったら全然書かなくなると思う。気ままにやっていこう。

 

僕はRADWIMPSというバンドが大好きだ。

色んなものに大好きと言っちゃう僕ですが、ラッドに対する愛は本物なので信じて欲しい。

 

今でこそ色んな音楽を聴くようになったけど僕が音楽を好きになった原点は間違いなくラッドだ。中3の時に初めて出会って多感な青春時代を全部ラッドに捧げてきた。

 

今日の記事はラッドについて語りまくる。多分超絶長くなる。

3部構成でいくことにする。

1部 ラリルレ論の感想

2部 ラッドとの出会い(自分語りパートなので読み飛ばしてもらって大丈夫)

3部 RADWIMPSの魅力について

 

よし早速始めよう。

そもそもなんでラッドについての記事を書こうと思ったかというと、野田さん(ラッドのボーカル)が書いたラリルレ論という日記本を今日読み終わったから。本の感想を書くついでにラッドについて語りまくろうという気持ち。

 

この本は、「×と○と罪と」というアルバムを引っさげて回った全国ツアーの最中に野田さんが書いた日記をまとめた本だ。確か5年前くらいに発売された気がする。

 

おい!ファンなのに5年間読まなかったのかよって声が聞こえそう。

もちろん5年前も読んだ。でも読むのが怖くなって序盤で読むのをやめてしまった。

さっきも言った通り、この本は野田さんの日記だ。野田さんの生活感がバリバリ出てる。当時の僕は、野田さんを同じ世界の人間と思いたくないという気持ちがあった。偶像は偶像のままでいいと思った。

でも今は盲信的にラッドのことを捉えているわけではない。だから野田さんが普段どのような事を考え、曲を作る時にどのような苦悩があって、どのようなものに影響を受けているのか。好きだからこそ知りたくなった。

 

この本は超長い。半年間マジで毎日レベルで日記を書き続けている。空いたとしても最長3日だったんじゃないかな。野田さんは物書きではないので、ぶっちゃけ読みにくい。ラッドのことを全く知らない人はこの本を読んでも苦痛なだけだと思う。

 

でもラッドのファンは読む価値があると思う。全国ツアーの最中バンドがどんな生活をしているのかとか、ラッドの曲作りの様子とか、休みの日何をしているのかとか、ライブの後何を考えているのかとか、ファンが知りたい情報は殆ど書いてある。

 

そして肝心の野田洋次郎に関して。この本を通して感じたのは、やっぱり野田さんも同じ人間なんだということ。僕たちと同じようなことで悩み、喜び、幸せを感じている。いわゆる「芸術家」のようなぶっ飛んだ感性だったり、鬼才さは持ち合わせてない。あくまで僕たちの生活の延長線にいる人。でも違うのは僕たちより数十倍繊細で不器用だということ。

 

日記の中で、色んなことに対して突っ込みまくっている。世界情勢のことだったり恋愛のこととかだったり本当になんでも。そしてそのことについて延々と悩み、夜眠れなくなっている。そんなに敏感なアンテナを張っていて生きづらくないのかなという感じ。

でも彼は音楽でその感情を昇華していて、それがラッドの歌詞の魅力につながっている。

 

本の中で彼が影響を受けたものなんかも紹介されている。映画が結構多かった。気になった作品も多かったので絶対見てみよう。

 

こっから2部、自分語りパート。僕とラッドとの出会い。

僕とラッドの出会いは中3の春。それ以前は僕の中学で流行っていた湘南乃風ばかり聞いていた。(この先、湘南乃風というワードが何回か出てくるけど、バカにしている意図は全くない。今でも彼らの音楽は素晴らしいと思う。)

 

湘南乃風めちゃくちゃ流行ったよね。あの悪そうな感じが中学生心をくすぐったんだろう。マジで男子はみんな聞いてた。僕も例にもれず、彼らのことを崇め奉っていた。

自分の部屋の壁にはビレバンで8600円で買ったジャマイカの国旗と湘南乃風のタオルを張り、いつも爆音でCDを流してた。

 

ある日、いつも通り真夏をジャンボリーしてた僕に、幼馴染の親友が「いつまでそんな頭の悪そうな歌ばっか聞いてるの? オススメのバンドがいるんだけどこれを聞いて見てよ」と僕にラッドの6枚目のアルバム「絶対絶命」を渡してきた。

キレた。湘南乃風をバカにするなよと。そんなバンド聞いてやるものか。

で,友達が渡してきたCDがこれ↓

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うう・・文字がいっぱい書いてある。なんかキモい。

まあでも確かに歌詞を読めという圧がすごい。帰って歌詞カードを見ながら聞いた。

 

1曲目はDADAという曲かあ。再生してみよう。

え? 何この曲・・・ キモい。でもなんかヤバい気がする。なんだこのバンド・・

 

それが最初の感想。文字で書くと超薄っぺらく見えるな笑

でも本当に衝撃を受けた。

 

歌詞の情報量の多さ、歌っている内容、今まで聞いたことのない音楽だ

そして何よりも裏でなっているギターリフ。ボーカル以外が耳に入ってきて印象に残ったのはラッドの曲が初めてだった。

 

一気にアルバムの曲を全部聞いた。聞き終わる頃には本当に虜になっていた。すぐにYouTubeで他の有名曲を探して聞いた。すごい・・こんな音楽があったんだって純粋に思った。

 

翌日から生活の中心がラッドになった。ラッドの曲は英語の曲も多いので英語の勉強をめっちゃ頑張った。難しい内容の歌も多かったので分からないことは全部調べた。今思えばすごいエネルギーだよね。一番多感な時期だからこそできたことだと思う。

 

日常の行動も全部ラッドナイズされた。メールのアドレスもラッドの歌詞。恋愛に関してもラッドの歌詞にめっちゃ影響を受けてすごいクサイことばかり言ってた。思い出したら蕁麻疹出てきそう。

 

高校に進学してできた数少ない親友も最初はラッドの話で意気投合した。

彼は中学でラッドのコピーバンドをしてた。ギター買って一緒にラッドしようと誘われてギターを買った。ラッドは難しすぎて弾けなかったけど僕がバンドを始めるきっかけにもなった。

 

中高の僕は生活がマジでラッドナイズされてたので、黒歴史も多い。ここに書くのは恥ずかしいので、ラッドファンの人、今度飲みましょう。語りましょう。

 

こっから3部。僕が思うRADWIMPSの魅力について

僕は音楽ライターではないので、主観バリバリの内容になると思うが、ラッドファンは共感できる部分も多いと思うので是非読んでほしい。

 

ラッドの魅力は?って聞くと結構な人が「歌詞がいい」っていう。

確かに。歌詞いいよね。でも歌詞がいいってなんだろう。

歌詞の良さって大きく分けると2つある気がする

・詩的な表現の美しさ(スピッツなんかこっちな気がする)

・共感のしやすさ

 

ラッドの歌詞の良さは、後者だと思う。

野田さんが書く歌詞は共感しやすい。さっきも書いたけど、野田さんは僕らの生活の延長線上にいる。だから共感を生む歌詞を書き続けられる。

 

僕たちと違うのは1つのテーマについてどこまで深く考えるか。

野田さんは生きづらそうだなと思うほど繊細で不器用だ。僕が思うに彼の歌詞は

「1つのテーマについて、考えて、悩みまくって、眠れなくなって、深夜4時くらいに絞り出した感情を日記に書いた」そんな歌詞のような気がする。

 

少しわかりにくい。分かりやすいように恋愛をテーマにしてみる。

 

恋は人を盲目にする。恋をすると普段考えないようなことまで考える。

相手のことが好きすぎるあまり、時には良からぬことまで考える。そしてふとした時に我に返り、その極端な発想に「自分ってもしかしてめちゃくちゃメンヘラなんじゃないか」とか「他の人とは違うんじゃないか」みたいな感情になり不安になったりすることがある。僕だけですかね?恥ずかしい。

でもラッドの曲をきくと、恋愛感情にどっぷり浸かり、冷静な判断能力を失った自分と同じようなことを野田さんも感じていて、それを歌詞にしてくれている。

 

例を出す。将来の自分の子供に対しての歌「Tummy」という曲

「君(奥さんのこと)と血が繋がっているなんて、なんて羨ましいやつだって 大人げなんてこれっぽっちもなく 耐えられなくなって頬濡らす」

 

冷静な時にこの歌詞を見ると正直気持ち悪い。でも盲目的な恋愛をした時にこう思ってしまいそうな自分がいそうじゃないですか?

 

極端な歌詞が多いので、生活においてシラフ状態で見ると恥ずかしくなってしまうような歌詞もある。でも自分が何かに悩んだり、つまずいたりした時に頼りになるのがラッドの歌詞だと思う。

 

野田洋次郎はいろんなことを歌っている。戦争、生きること、死ぬこと、恋愛、宗教のこと、国際関係のこと。感じたことは音楽で全部昇華している。

彼が僕たちの生活の延長線上で、色んなテーマについて考え抜いた末に、歌にしてくれている。

 

よく彼の歌や発言に整合性を求めて叩く人がいるけど、アーティストに整合性を求めることになんの意味があるんだろうと思う。あるテーマについて正しい知識が知りたいんだったら専門書を読めば良い。せっかく彼が一般人代表として悩み抜いて、表現してくれているんだから放っておけば良いのにと思う。

彼の影響力の大きさを考えたら叩く側の気持ちもわかるけど、どちらかというと受け取る側のリテラシーの問題な気がする。彼を140字のツイッターで判断して叩かないでほしい。

 

少し話が逸れてしまったけど以上が僕が思う彼の歌詞の魅力。

 

ここまで野田さんの話ばっかだったけど、バンドとしてのラッドもすごい。変態。

楽器経験がある人なら分かると思うんだけど、楽器をやっていると、曲を聞いた時に解像度が増す(各パートの音が聞こえるようになったり、アレンジや曲構成も意識して聞くようになる)感覚ありません?

良く軽音部の人が「この曲のベースライン良いよね」ってイキって言っているけどあんな感じ。曲を聴けばきくほど親近感が湧いてくるようになる。

 

でもラッドの曲に関しては、楽器を始める前よりも今の方が謎が深い。なんでそんなアレンジになったの?それでいて曲としてまとまって聞こえるの?ってなる。ラッドの曲をコピーしても全然ラッドっぽくならない。

 

ライブでも4人の演奏力の高さにビビる。(ドラムは持病により今は活動休止中)

バンドとしての技術も群を抜いている。

 

ここまで魅力をダラダラ書いてきたけど、結局RADWIMPSの魅力は、「唯一無二」なところにあると思う。野田さんが書く歌詞、他のバンドが思いつかないような編曲、そしてそれをライブで実現させてしまうメンバーの演奏力の高さ。

さっき、ラッドの曲は謎が深いって言ったけど、それは他に似ているバンドがいないからかもしれない。僕の中途半端な知識と感性では、何かと比較しないと解剖することができない。

 

以上、ラッドファンが偏見にまみれて書いたラッドの魅力でした。

君の名は。とか天気の子でRADWIMPSを知った人はぜひ昔の曲も聞いてみて欲しい。

 

あとがき

ここから先は少し暗い話が入るので、読まなくても大丈夫。

ラッドのアルバムは本当に全部好きなんだけど、一番好きなアルバムは群を抜いて6枚目の「絶対絶命」だ。ラッドと出会ったアルバムだからということもあるけれど、少し理由がある。

 

このアルバムは全体を通して「命」とか、「人生」について歌われている。

 

ラッドの歌詞の魅力はつまずいた時に寄り添ってくれることにあるってさっき書いたんだけど、このアルバムには本当に救われた。

 

何か困ったことがあったら、このアルバムに答えが書いてある。本当にそんなアルバム。網羅率がすごい。イヤーノートかよ。

例えば、今現在の僕の気持ちを表している曲は「携帯電話」という曲。歌詞がひたすら可愛い。最近ツイッターで低俗なアカウントをフォローしまくったせいか、情報過多になって頭が痛くなってしまった。たまにSNSを断捨離したい欲が湧いてくる

 

順風満帆な生活を送っている時に「生きるとは」とか考えないよね。僕もあまり深く考えたことはなかった。初めて考えたのは僕にラッドを教えてくれた親友が亡くなった時。大学3年生の時。

 

そして1年半前にもこんなに辛いことがあるのかって経験をした。その時にもこのアルバムを聞きまくった。中でも一番聞いたのはグラウンドゼロという曲。

 

生きることの不条理さ。気持ちの整理がついていないのに、時間だけ進んでいく感じ。無理やり希望を持たせようとしてくる感じ。先が見えない未来に恐怖を感じる気持ち。

グラウンドゼロの歌詞はそういうことを歌っている(ように感じる)。自分の気持ちを表現してくれる歌があるってだけですごく救われた。

 

この曲は最後、人生に希望をなんとか見出して頑張っていくんだ。という内容で終わる。

僕はこの曲が大好きなんだけど、1度もライブで演奏されたことが無い。

これは僕の想像なんだけど、おそらく震災の影響があると思う。

 

命をテーマにした「絶体絶命」がリリースされて2日後に東日本大震災が起こる。

アルバムツアーの東北公演は全て延期。野田さんはどういう気持ちでステージに上がりツアーで絶体絶命の曲を歌ったんだろう。

 

グラウンドゼロの最後の歌詞は生きることへの希望がある。でも震災があったことで被災者たちは明日の希望すら見出せない。安易に歌えないと野田さんの中でこの曲は封印されたんじゃないか。僕はそう思っている。

 

RADWIMPSは3.11以降、毎年震災をテーマにした曲を3/11にYouTubeにアップしている。もちろん無料。今年も出すだろう。今年で8曲目だ。

 

曲を書くためにきっといろんな人たちの話を聞いたんだろう。偽善でできることじゃ無い。でも曲を重ねるごとに少しずつ希望を感じる歌詞が多くなってきている。そういう歌詞を読むとすごく嬉しくなる。

 

野田さんが感じる希望がどんどん増えていって、いつかグラウンドゼロの最後の歌詞のように、生きることに希望を見出せるようになったらライブでグラウンドゼロを演奏してほしい。その時まで僕は僕の人生を頑張る。

 

では!