読んだ本の感想シリーズ② 今日は誰にも愛されたかった、蘇る変態

こんばんは

 

今日は2冊の本の感想!例の如く友達に勧めるテンションで書く。

 

2 今日は誰にも愛されたかった

谷川俊太郎、岡野大嗣、木下龍也という3人の詩人、歌人が4ヶ月に渡って連詩(代わりばんこに詩を書き連ねていくこと。)を行い、完成後、3人とインタビュアーが集まって座談会をするといった内容の本。

 

連詩完成後の座談会の内容がとても面白い。前の人の詩をどのように解釈し、自分はどういうつもりで詩を書き、後の人に繋げたのかその答え合わせが行われる。

しかも詩人同士の座談会だからといって堅苦しい雰囲気じゃない。インタビュアーも面白くて、終始飲み会みたいなテンションで3人が会話してる。とても読みやすい。

 

僕は詩に限らず音楽とか絵とかも解説が付いてないと鑑賞に疲れてしまうので、作者の意図とか制作背景とかが分かる解説本は割と好き。なので今までにも何冊か読んだことがある。でもこの本のように、作者同士が詩の解釈について語り合う本は読んだことがなかったのでとても面白かった。

 

作者の3人の中では僕は谷川さんしか知らなかった。国語の教科書にバリバリ載ってるような人なので僕でも知っていたが、残りの2人は聞いたことがなかった。調べてみたら谷川さんとはだいぶ歳が離れた若手の歌人だった。2人とも谷川さんの詩にすごく影響を受けたらしい。

 

調べてみて分かったけど岡野大嗣さんはちょっと前にツイッターでバズってた「たやすみなさい」っていう詩集の作者らしい。今度読んでみたい。

 

3人の中では谷川さんがベテランというかリーダー的な立ち位置なので連詩中でも谷川さんが急に方向転換をした時に残りの2人がそこに食らいついている場面があったり、2人の現代的な解釈の詩を谷川さんがうまくまとめたりといった場面もある。座談会の会話の中でも2人の谷川さんに対する尊敬心がめちゃくちゃ伝わってくる。

 

連詩のスタートは岡野さんの

「ベランダに見える範囲の春になら心を許しても大丈夫」

という詩から始まる。

この詩に対する岡野さんの意図は、「春は外に出るとなんか人がワイワイしてて、春の方から無遠慮に押し寄せてくるイメージがある。そこに馴染めないんだけど、自分の家からベランダに出て、遠くの方に桜が見える、その程度の春だったら楽しめる」といった意図らしい。連詩のスタートなので春という季節を選んだそう。

 

この詩に対して、残りの2人が「この詩の季節は春でいいね。冬だと閉じたイメージがして、この歌の主体に似合いすぎてしまう」とか、「大丈夫な見える範囲の春があるんだけど、その春の端まで行けば見えない範囲の春も見える範囲の春にすることができる。怖がってはいるけれど、希望がないわけではない。連詩を始める岡野さんの心情も現れてるんじゃない?」みたいな返しをする。めちゃくちゃ面白くないですか?

 

そしてこの詩に対して谷川さんがどのような詩をつなげるのか、、続きは本を読んで見て欲しい。喜んで貸すので気になった人は声をかけて。

 

僕はこの連詩のスタートの岡野さんの詩が結構好き。少し詩の意図とは違うけど、窓から見える外の天気とかで気持ちが左右される時が結構ある。

 

僕は結構インドア人間で、家でダラダラぼーっとしたり、映画を見たり、本とか漫画を読んだりするのが好き。でも外に出て海に行きたいとか、ドライブに行きたいとか、お気に入りのお店に行きたいっていういう感情も常にある。でも外に出るのって結構エネルギーを使う。窓の外がすごく晴れていると、外に行きたいな・・うーんでもダラダラもしたい。他のみんなは外に出て遊んでいるんだろうな。とか色んなことを考えてしまう。

でも雨が降っていると、家に居ていい大義名分を与えられているようで、思う存分ダラダラしてしまう。他にも同じような考えの人いるんじゃないかな。

でも夜は無条件に晴れていて欲しい。夜はできるだけ自由に動きたい。

 

最後自分語りで終わってしまったけど、とても面白い本なので是非読んで見てほしい!

 

3 蘇る変態

この本は星野源さんのエッセイ。音楽制作の苦悩とか、俳優生活の舞台裏、そして病気に倒れた時のことまで色々書いてある。

 

他人の日記とかエッセイを読むのも結構好き。特にそれが芸能人だと、自分とはかけ離れた世界を生きている人が、意外にも日常で自分と同じようなことを感じていたりして嬉しくなることがある。

 

星野源さんはみなさんご存知の通り俳優、ミュージシャン、作家として活動している。そして成功している。ここまで色々と手を出してマルチに成功している人って他にいるのかな。すごくかっこいい。

 

俳優業に関しても「逃げ恥」を始め、色んなヒット作に出演しているし、CMでも星野源を見ない日はない。どん兵衛のCM羨ましい。あの吉岡里帆可愛い。

 

少し話がそれる。吉岡里帆って男子人気高いけど、女子人気はそこまで高くないって聞いたことがある。確かにあざとい感じとか嫌いに感じる女子はいそうって思う。ある女性のツイートで、「吉岡里帆に前世で彼氏を寝取られたような気がする。だから嫌い」っていうツイートがあってめっちゃ笑ってしまった。確かに。男子は吉岡里帆みたいな女の子大好きだしな。

 

ガッキーとも吉岡里帆とも共演できて羨ましいって感じる男子は大勢いると思う。きっと星野源は前世でナイチンゲール並みの徳を積んでいると思う。僕も現世で徳を積みまくって来世は星野源か真剣佑になる。それかヒカキンの家の猫。

 

脱線したので話を戻す。星野源は俳優業でも成功。そして音楽業界でも知らない人はいないくらいの成功を収めている。ドームツアーとかしてるもんね。

星野源の音楽的な側面に関してはこの人の動画で丁寧に解説されているので見て。

https://youtu.be/LdTJVP5h5vs

大抵のシンガーソングライターは作詞作曲は自分でするが、編曲はプロデューサーに頼むって人が多い。星野源は編曲も自分中心でやってて本当に多才だなって思う。

 

そして作家業に関して。星野源が書く文章をちゃんと読んだのは今回の本が初めてだったんだけど、すごく読みやすい。親しみやすい文章を書く人だなって思った。

本の中で星野源がどんなものに影響を受けて育ったのかとか、曲作りの裏側でどのようなことを感じているかとかが詳しく書いてある。ファンにとってはたまらない本だと思う。あと下ネタもすごく多い。

 

マルチに活躍している星野さんなので、本の中に見え隠れしている私生活の忙しさがすごい。いつ寝てるの?って感じの生活をしている。実際本の後半で病魔に倒れてしまうが奇跡的に助かり、復帰までの話も書いてある。

 

本を読んで見て思ったのは、星野源の魅力ってその親しみやすさにあると思う。話し方もそうだし、演技もそうだし、音楽もいわゆる玄人的な要素を取り込みつつ、大衆に親しみやすいように上手く昇華している。

 

根底には星野さんが影響を受けたカルチャーをサブカル的な立ち位置で終わらせるんじゃなくて、大衆に向けて発信したいという思いがあるんじゃないかと思う。

 

実際、本の中で「この世にもうサブカルという言葉はいらない。この世にある面白いカルチャー、あなたが面白いと思うものはすべて『ポップカルチャー』と呼んで良いのだ」と語っている。自分が影響を受けたものを、自分自身のフィルターを通して、大衆に認められるのはすごい快感だろうなって思う。そしてそれを実現できてしまう星野源はすごい。

 

僕は特別彼のファンではなかったが、この本を読んでもっと彼の音楽を聞こうと思ったし、彼が影響を受けた本とかも読んでみたい。とりあえずこの本に登場していた「ポップ中毒者の手記」ていう本は近いうちに読んでみよう。

 

とりあえず今日は終わり。バーって書いちゃったので相変わらず読みにくい文章だけど許して。また次回!