読んだ本の感想シリーズ③ マチネの終わりに

こんばんは

今日も1冊の本の感想。今回の本はかなりオススメ

 

4 マチネの終わりに

去年映画化もされた小説。映画も見たかったけど忙しくて見る機会を逃したので、円盤化されたら買うなり借りるなりで絶対見たい。

 

有名な作品なのできっと映画か本をこれから読むって人も多いと思うのでネタバレはなるべくしないように書く。

 

簡単なあらすじはこう↓

主人公の蒔野は、若くしてクラシックギターの最前線を背負ってきた若き天才ギタリスト。ある日、演奏会後の友人との食事会にて、通信社ジャーナリストとして活躍する、記者の洋子と出会う。出会った時からお互いに惹かれあった蒔野と洋子だが、実は洋子には婚約者がいた。東京ニューヨークパリバグダッドを舞台に、二人の男女の物語が繰り広げられてゆく。(wikipedia)

 

罪深い恋愛の話。親しみやすいように書くと髭男のpretender的な恋愛。書き手の表現次第でとことん下世話にしかならないテーマなのに「大人の恋愛」として昇華させられてる。そんな小説。作者の平野啓一郎さんすごい。

 

恋愛小説なんだけど、大きな特徴として

・主人公の2人がまあまあな年(40代、大人の恋愛って感じ)

・登場人物が総じていろんな罪(業)を背負っている

 

があると思う。

 

この本は読むのにだいぶ時間がかかった。疲れた。頑張って感想を書いていこう

全編を通して、とにかく「大人の恋愛」を見せられた感じ。

「大人の恋愛」ってなんだろう。難しい

 

少し考えてみた。恥ずかしいけど書く

 

僕を含め若い人たちの恋愛って相手に色々求めるところが多いと思う。

相手にはこうあって欲しいとか、相手にはこう思っていて欲しいとか。相手に期待して、理想とか価値観を押し付ける。そして自分の理想の相手と実際の相手とに乖離があると、モヤモヤする。だから束縛したり感情的に喧嘩をしたりする。

でも仕方ない。相手に理想を求めてしまうのは当然だと思う。

 

でもこの本の2人は相手に何かを求めるっていうことを殆どしない。

心のそこから惹かれあう。そして「自分」の中で相手がどのような存在なのかをめちゃくちゃ考える。

この本はとにかく主人公2人の心理描写が多い。前述した通り、お互い罪を背負った上で恋愛をしているので

「自分の人生にとって相手の存在はどのような意味があるんだろう」

「自分が今やっていることは、相手の助けになっているんだろうか」

「この罪を背負ってまで、一緒になるべきなのか」

こんなことをひたすら考えている。しかもこの小説、相手と実際にあって話すシーンがマジで少ない。直接会うのはたった数回。その数回でさらに惹かれあうんだけど、1人になった瞬間にまた色々考え出す。

 

心理描写の部分は読むのが疲れる。重い。夜には読みたくない。この小説は昼の総合講義とかにの間に読むのが正解な気がする。小説家が本気を出してこういうテーマを書くと、こんなに胸にグサグサくるのかって感じ。

 

でもストーリーが進み後半に行くにつれて、心理描写の部分が少なってきて読みやすくなってくる。友達に指摘されて気づいた。多分作者は意図的にやってる。後半の思うところは読者が想像してくれって意味だろうか。

 

後半部分は怒涛のストーリー展開。さっきも言ったけど主役の2人以外にも、罪深い人物が登場する。ええ?????おい!!!!ってなる。

 

この小説のストーリー関しての感想は書き始めるとマジで無限にかけそうなのでこの辺でやめておく。

あとは読んだ人と感想を話したい。興味ある人は貸すので声かけて欲しい。

 

ちょっと違った観点からもこの小説をお勧めしたいんだけど、この本は主軸の恋愛の話以外にも、色んな話が盛り込まれている

クラシック音楽、文学、アート、ユーゴスラビアの戦争、イラク戦争PTSDグリーフケアリーマンショック、東北大震災などなど

 

主役の2人がクラシックギタリストとジャーナリストなので、会話の中でこういう教養的な知識が頻繁に登場する。教養としてもかなり読み応えのある小説なんじゃないか。

 

この本を読んで改めて自分の教養の無さを自覚した。なんも知らない・・ 大学生なのに・・ってなった。

 

受動的に与えられた情報に関してはなんとなく覚えているので、雑学的な知識はある方だと思う。

 

でもやっぱり教養を深めるには能動的に情報を摂取しないとダメだなって感じた。読書だったりネットサーフィンだったりこれから工夫してみよう。ツイッターのタイムラインをさらっているだけでは一生身につかないな。

 

以前記憶について研究している精神科医が書いた本で、読んだ本の内容が実生活に活きているなって感じるまでには大体10年かかるって言ってた。10年後になりたい自分をイメージして本を読むことが大切らしい。論文を実際に読んだわけでもないし、ざっくりしすぎているので完全に信じているわけではないけど、確かにこういう教養的な知識だったり考え方って本を読んですぐ身につくものではないってことは分かる。

 

僕は本に詳しい方ではないけど周りに読書家が数人いるので、こういう本が読んでみたいっていうとオススメの本を紹介してもらえる環境はとても幸せだなって思う。

 

能動的に情報を摂取し続けていると、一見関係ないように見える事柄が偶然とか運的な要素も相まってある日突然繋がることがあるらしい。具体的なケースでいうと板チョコからアイデアを得てカッターナイフを発明した話とかが有名かも。

この現象にも名前がついていて、セレンディピティっていうらしい。部活の読書家の後輩に教えてもらった。セレンディピティに関して書かれてる本も教えてもらった。今度読んでみよう。彼とはもっと仲良くなりたい。

 

長々と書いてしまった。かなりオススメの小説なので読んでみて欲しい。

僕は映画を見るのがかなり楽しみ。原作で何回か登場する「幸福の硬貨」って曲を早く映画で聞きたい。

 

とりあえず以前オススメした4冊の本の感想を書き終わったけど、感想を書いている間にも何冊か読んだ。その本の感想も時間がある時に書く。でも読んだ本全部やってたら確実にバテるのでこれからは選んで書いていこう。

 

本の感想だけで終わるのはやっぱり味気ないので、最後はくだらない話を。

前回の記事で、「星野源は成功しすぎているから、きっと前世はナイチンゲール並みの徳を積んだに違いない!!」的なことを書いた。ネタだけどね。

 

僕も昔家族で前世診断的なやつをやったことがある。今は無いけど、うそこメーカー脳内メーカーとかが流行ったサイト)で自分の名前を打ち込むと前世を占ってくれるってやつ。もちろん科学的な根拠は一切ない。

 

僕も人間に生まれてる時点で、前世もきっとある程度の徳を積んだに違いない!そんな気持ちで自分の名前を打ち込むと、僕の前世はタニシだった。えぇ・・タニシ?

 

でも大出世じゃない?タニシから人間って。きっと人生をかけて水質浄化に貢献したんだろう。彼(タニシ)に恥じないような現世を過ごしたい。

 

母とか姉ちゃんとかもやったんだけどあまり覚えてない。なんか陽気なアフリカ人とかだった気がする。

 

そして最後お父さんがやったんだけど、お父さんの前世はショパンだった。まさかの具体名。しかもショパン。家族全員でアホほど笑った。確かにお父さんショパン好きだったし。

 

もしタイムスリップしてショパンに会ったら、あなたは来世で休日の午前中、田舎の一軒家であなたの曲のCDを聞きながら朝食を食べるのを楽しみにしています。そこに反抗期真っ只中のタニシから転生したあなたの子供に、なんか眠くなるから変えるねと湘南乃風のCDに変えさせられ、それを朝から爆音で聞かされます。と伝えたい。

 

では!